昔からグアムの先住民チャモロの人々が民間薬の一つとして愛用してきた「ラダ(Ladda)」。 「ノニの実」と言えば聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。日本でも健康食品としてポピュラーですからお茶やジュースなどで知っている皆さんも多いことでしょう。ノニという呼び名はハワイから来たもので、この植物の日本名は「ヤエヤマアオキ」といいます。
4_3_1.jpg
ラダは熱帯から亜熱帯の地域に自生するアカネ科の植物で、日本では沖縄をはじめ、東南アジア、ミクロネシア、ポリネシア、オーストラリアにも生息しています。 薄黄緑色の表面がぼこぼこした5センチから10センチくらいの固い実をつけ、収穫して置いておくと数日後にはすぐにやわらかくなり独特の匂いを放ちます。 発酵した実の食感はたいへんみずみずしくてやわらかく、風味はマスカットに黒胡椒をかけてチーズの強い匂いを付けたような味とでもいいましょうか。その発酵果汁はたくさんのアミノ酸・ビタミン・ミネラルを含んでおり、体にとても良いとされています。
4_3_2.jpg
チャモロの人々はラダの実を食べたり煎じて飲んだりする他に、葉を料理に使ったり細かく刻んで痛み止めの湿布としても利用してきました。現在ではもちろん日本と同じように先進医薬品がクリニックや病院で使用されていますが、島に西洋文化が到来してから4世紀以上が経過した今も、体に良い植物として地元の人々の生活の中に息づいているのです。