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左がひとり旅の91才のおばあちゃん。 その若さ、美しさに参加者は驚くばかりでした。
若かった両親に連れられて行った家族旅行、友達との初めての海外旅行、子供の喜ぶ顔見たさに奮発した旅行、海外挙式を決めた娘の晴れ姿を見るために出かけた旅、旅はいつも人生の輝きとともにあります。 そのことを改めて強く感じさせてくれる旅に出会いました。子育てを終えた世代が自分のために、 身近な家族とともに出かける異国は、この瞬間に生きていることを実感させ、感動を添えてくれます。
今回同行したのは、旅行会社クラブツーリズムが企画した総勢80名のバリアフリーの旅。 車いすで移動する障害者、病を患っている方、ひとり暮らしの方、杖を使う高齢者、いずれも旅をあきらめがちな人たち。 家から出るだけの大変な高齢者や障害を持った人たちが元気いっぱいグアムをエンジョイする姿は、旅がすべての人に素晴らしい時間と感動を与えてくれることを印象づけてくれました。そして、グアムがバリアフリーの旅を滞りなくサポートできる環境であることを嬉しく思った数日でもありました。
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クラブツーリズムは「旅」は心と体の一番のリハビリです、と提唱しています。 とは言っても体のコンディションによっては、一般のツアーのスピードにはついていけなかったり、特別な移動手段が必要であったり、サポートしてくれる人の手助けが必要であったりするのも確かです。 クラブツーリズムのバリアフリーの旅は、体への負担に配慮したスケジュール、移動方法、気疲れしない周りの雰囲気、それぞれのペースで楽しめる個人旅行の自由度を残しつつも、ツアーの安心感や便利さを備え合わせたパッケージが組まれています。 主催者は参加者それぞれの体調、コンディションを把握して、万全な受け入れ体制、サポート体制を事前に準備しています。グアム滞在中のスケジュールも常に添乗員が参加者に声をかけ、無理なくゆっくり組まれたツアーへ同行します。出発空港で合流した時点から、参加者同士が気遣いながら旅を楽しみ、素晴らしいふれあいの記憶として旅のシーンが心に刻まれていくのです。
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黄色のバンダナをつけたトラベルサポーターさん。 バリアフリーの旅が実現できるのもサポーターさんの存在があってこそです。 サポーターさんたちも長年ご主人を介護した経験などがあり、 参加者の思いを手助けしたくて参加した、最強のボランディア集団なのです。
では、バリアフリーの旅独自のサービスとは何かと言うと、添乗員の数の多さに加え、看護師やホームヘルパー2級以上の福祉資格または外出支援に特化した講習の修了生で構成された、何でも相談できる頼もしいサポーターの存在があります。 滞在中に必要となる車いすや入浴器具などのレンタルも万全で、荷物の移動も添乗員やサポーターが手伝ってくれます。必要に応じて車いすを押したり、入浴や食事のお手伝いもします。もちろんリフト付きバスも利用できます。 周りの方に迷惑をかけるんじゃないか....なんて心配が嘘のように、支え合い手助けをし合う心温まる関係が生まれていきます。
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アサン展望台から、アメリカ軍が1944年に上陸してきたアサン海岸を眼下に見下ろします。 それぞれの戦争体験と重ね合わせて、日本軍が歩んだ戦時下のグアムに思いを馳せます。
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多くの日本人がこの地で玉砕した太平洋慰霊公苑にて線香をあげます。 言葉少ない、戦争体験のある参加者たち。
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慰霊塔に白い菊をお供えし、全員でお経を唱えました。
今回ご一緒させていただいたのは、第二回ドリームフェスティバル in グアム。イベントの中で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生の講演会がありました。 講演は、鎌田先生の著書「よくばらない」に紹介された、「1%誰かのために生きる」という気持ちが、自分の存在に意味を見いだしてくれるというものでした。人は誰もあたたかな心の中に邪悪な心があったり、弱い心の中に強い心があったり、やさしい心の中に鬼がいたり、人間の心はまだらだ、というお話もあり、参加者から大きな拍手が。
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会場は前回に続いて宿泊ホテルとなったアウトリガーグアムのロビー。 鎌田先生の生い立ち、イラクやチェルノブイリへ医薬品などを送ってきた活動を 通して生まれた現地の子供達とのふれあい、 感動のエピソードなど1時間半に及ぶ講演が行われました。
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講演会の最後にサプライズのお誕生会。 100才のお誕生日をひと月後に迎える権四郎さんが壇上に上がり、 ローソクの火をひと吹きで消しました。
講演会の最後には7月に100才の誕生日を迎える権四郎さんのお祝いも行われました。現役時代は物理の高校の先生をしていたという権四郎さん、過去を振り向かず3日先までしか考えないのだそうです。 そして、今回の一人参加の最年長は91才のおばあちゃん。年に何度も、サンディエゴに暮らす息子に会いに、成田からロサンゼルス行きの飛行機にひとりで乗って出かけるという、美しく元気なおばあちゃんです。 参加者が抱える病は、脳卒中、がん、精神病と、視覚障害、生まれた時から障害がある方など、実にさまざまです。現役引退後の人生を楽しむ老夫婦もいました。 健康であっても、病を患っていても、みんながこの旅の瞬間を生きているんです。 グアムの風を感じたり、潮のかおりを嗅いだり、南国の花に触れることで、人生の喜びを実感していました。
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講演会のテーブルには「鎌田實先生からの宿題」と書かれた紙が。 今回の旅を有意義なものにするためのヒントが書かれていました。
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体験イベントの会場では、椰子の葉細工に挑戦。
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チャモロダンスの教室では、現地のダンサーの指導で、 ツアー参加者だけでなく、主催者、サポーターも軽やかにリズムに合わせて体を動かしていました。
赤ちゃん連れのファミリーから100才のおじいちゃんまで、人生のさまざまなステージにぴったりのグアムがあります。 グアムはどんなスタイルの旅も応援していきます。旅行関係者のみなさん、どうぞさまざまなリクエストをお寄せください。 島を上げておひとりおひとりの旅をサポートしたいと思います。
今回のバリアフリーの旅に興味をお持ちの方は、 http://www.club-t.com/theme/barrierfree/ または、クラブツーリズム株式会社バリアフリー旅行センターまでご連絡いただき、 資料を請求してください。 <インフォメーション> クラブツーリズム株式会社バリアフリー旅行センター 営業時間:9:15~17:30 月~金 電話:03-5323-6915 グアム滞在の記録は下記でも紹介されています。 【日刊:鎌田實 なげださない】 http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-86ac.html 【ニュースエブリィ】 http://www.ntv.co.jp/every/ (5/27(木)17:20頃~約5分間 放映予定)