さて以前、アメリカドルの硬貨についてお話しをしましたが、今日は紙幣についてです。 <アメリカドルの硬貨についてはこちら> http://weekly.visitguam.jp/2010/12/post-143.html 紙幣も硬貨と同様、市場によく出回っているものと、発行されているもののあまり見かけないものがあります。こちらで生活していて最もよく使うのが1ドル、5ドル、10ドル、20ドル紙幣。そして銀行の窓口などで時々もらうのが50ドル、100ドル紙幣です。
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こちらの生活では50ドル、100ドルの高額紙幣をあまり見かけることはありません。 銀行によってはATMで100ドル引き出しても20ドル紙幣が5枚出てきますし、60ドルのお釣りを受け取る場合も50ドル紙幣と10ドル紙幣ということはなく、ほとんど20ドル紙幣3枚で返ってきます。 これはアメリカやグアムでは高額の金銭のやりとりは小切手を使うことが多いので50ドル、100ドル紙幣はあまり必要ないからだとか、偽造紙幣の防止のためだとか言われていますが、確かに20ドル紙幣をもらう方が使い勝手は格段にいいです。 ちなみにお店で高額紙幣を使った時、ペンで紙幣にチェックするのを見かけることがあります。これは偽造を見破る特殊なインクが使われているそうですよ。 さて発行されているものの、ほとんどみかけないのが2ドル紙幣です。
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描かれているのはトーマス・ジェファーソン大統領。独立宣言署名の図が描かれています。
流通している量が極端に少なく、日常生活ではまったく目にすることがありません。あまりにも目にする機会がないので「Doubtful as Double(2ドル紙幣のように疑わしい)」とのことわざが生まれ、縁起が悪いという人もいるほどです。しかし中には貴重な2ドル紙幣を手にできた、「ラッキーマネー」だと喜ぶ人もいるようです。私も知人にもらった時はちょっとうれしかったですけどね。 その他、かつては500ドル、1,000ドル、10,000ドル紙幣という高額紙幣があり、銀行の決済などで使用されていたそうです。もちろん現在は製造、流通ともに停止となっていますが、ぜひ一度手にしてみたいものです。 紙幣と言うと、グアムには毎年5月の卒業シーズンにこんな習慣があります。
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これは何だと思いますか?お金で作ったレイ「マネーレイ」です。 マネーレイはグアムの卒業には欠かせないアイテム。元来レイは木の実や花、貝殻などで作られる首飾りで、歓迎や愛情、お祝いなどの気持ちを伝えるものでしたが、いつの頃からからお金が使われるようになり、きれいに折り畳まれた紙幣と共に、カラフルなリボンやビーズなどで作られるようになりました。 日本人にとってはお金で首飾りを作ることや、さらにこれらが販売されていることに驚いてしまいますが、こちらでは子供の卒業を祝う大切な贈り物のひとつなのです。 紙幣に関するお話しの最後に「旅する紙幣」について紹介しましょう。 お金というものは1箇所に留まっていることはほとんどなく、皆さんの財布から市場に出回り、その通貨が使用されるさまざまな国、エリア内を移動します。買物をして返ってきたお釣りの紙幣がどこから来たものなのかわかれば、ちょっと面白いですよね。アメリカ通貨の場合は、お隣のロタやテニアン、サイパンからかもしれないし、もしかするとカリフォルニアやニューヨークからやって来たのかもしれません。 そんな旅する紙幣をチェックできるサイトがあるのをご存知でしょうか。その名も「ジョージを探せ!(Where's George!)」
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「ジョージを探せ!(Where's George!)」 http://www.wheresgeorge.com
お金の年代とシリアル番号などの情報を入力すると、その紙幣がどこを通って自分の手元にやってきたのかがわかるというサイトです。その紙幣を手にしたすべての人が登録しているわけではないと思うので正確にはわかりませんが、自分の知らない街を経由し、はるばる太平洋を超えてグアムの自分の手元にやってきたと思うと、少しロマンチックな気持ちになりますね。皆さん、手元に紙幣を用意してアクセスしてみてください。 アメリカのお金に関するお話しはこれでおしまい。皆さんも一度、財布の中身をじっくりチェックしてみてください。そのクォーターはどこの造幣局で発行された、どの州の硬貨ですか?その紙幣はどの街を経由してあなたの手元に届いたものですか?たかが25セント、たかが1ドル、でもそれはアメリカのユニークなアイデアが詰まった、とってもアメリカらしいお金です。