東北地方太平洋沖地震そして大津波の発生から2週間が経ちました。犠牲になった方の数が1万人に達した3月25日(金)、ガバナージョセフフローレスメモリアルパーク(イパオビーチパーク)で "『Prayer Vigil』(祈りの会)" という、震災の犠牲者を悼むと共に、被災地の復興を願う催しが行われました。参加者の一人一人が、犠牲者、被災者への祈りを捧げながらキャンドルを灯して、カトリック教会の神父やクリスチャン教会の牧師のお言葉と、在ハガッニャ日本国総領事館 木村善行総領事やマデリン・ボダリオ米下院議員のスピーチを聞きました。

多くの子供たちが犠牲になった事実は、 グアムで暮らす日本人の子供たちの心にも深く受け止められています。


中でもマデリン・ボダリオ米下院議員のスピーチに"GUAM IS SUCH A GENEROUS COMMUNITY"という言葉が何度も出てきたのが印象的でした。「寛大で思いやりに満ちたグアムの社会」という意味です。数々の台風や地震に見舞われてきたグアムは、いずれの自然災害もほとんど犠牲者を出さずにきました。それは家族、親戚、ご近所、仲間など、幾重にも張り巡らされた小さなコミュニティーのつながりによる、支え合いによるものでした。しかし、今回の震災は人間の力では太刀打ちできない、想像を遥かに超えるものでした。支え合いで自然災害を乗り越えて来たグアムのローカルたちにとっても、まざまざと自然の怖さを見せつけられることになりました。

日本との交流が深く、数々の自然災害に見舞われてきたグアムだからこそ 私たちは世界中の誰よりも日本の悲しみや苦難が理解できる、 と語ったマデリン・ボダリオ米下院議員。


聖職者のお言葉を聞きながら、 参列者はひたすら犠牲者の冥福を祈り続けました。


グアムのローカルたちも家族連れで沢山訪れていました。


グアム政府観光局長やホテルの関係者、旅行会社の社員だけでなく、 一般の個人も多く訪れていました。


しかしあの日以降、ニュースでは凄惨な被災地の現状とともに、自身が被災していながらも避難所でボランティア活動に励む中高生、倒壊した家屋のわずかな隙間で9日間祖母を支え続けた若者、余震に怯える子供たちを抱きしめ続けるお母さん、避難所で食べ物を分け合う住民、ミルクを作る飲料水を買い求めるために何時間も長蛇の列に並ぶ年若いお母さんなど、互いを助け合い、互いを思いやる行動の数々が日々報道されています。このような姿を見るにつれ、日本人全体が団結すれば遠くない未来にきっと復興できる、と確信しています。

日暮れとともにキャンドルライトの黄色い光が 広い緑の公園に浮かび上がりました。


グアムでは時間の経過とともにさらに義援金活動が広がりを見せています。小さなレストランから一流ファッションブランドブティックに至るまで、日本の被災者を応援する動きはやむことがありません。その活動の一つ一つは、世界のどの地域よりも日本との深いつながりを持つグアムの一企業、一市民として、日本の方々に対してできることをやりたいという気持ちの現れです。

タモンサンズプラザ内ではクロエ、 マークバイマーク・ジェイコブス、ラコステ、 ダンヒルなどのブティックで売り上げの一部を 義援金としてグアム日本人会に寄付することにしています。


日本を応援するメッセージもあちらこちらで見かけます。


3月25日(金)の時点でグアム日本人会に 寄せられた義援金の総額は$317,285.56。 上の写真は義援金を寄せて下さった方々への御礼と、 義援金の総額をお知らせする記事が地元新聞に掲載された時のものです。


多くのグアム在住邦人が地域社会に溶け込み、また年間80万人をこえる日本からの旅行者を迎えるグアムでは、誰もが多くの日本人を友人に持っています。どの学校に行っても多くの日本の子供たちが現地の子供たちと机を並べ、学んでいます。今回の自然災害は、グアムのすべての人にとって遠くの国での出来事ではなく、被災された方々を見知らぬ異国人とはとても思えないのです。

グアムでは人口の80%がカトリック教徒ですが、 様々な宗教を受け入れる寛容さがあります。 また、日本人とチャモロ人やアメリカ人との間に生まれた子供たちも沢山います。 グアムの人々は今、それぞれの思いをそれぞれの行動で現しています。


今グアムは日本に対し義援金と応援のメッセージを送り続けています。そしてもう一つグアムにできることは、どんな時もこれからも "GUAM IS SUCH A GENEROUS COMMUNITY(寛大で思いやりに満ちたグアムの社会)" であるグアムが日本からの旅行者を温かく迎え入れ、皆さんの身体と心を癒すことです。日本にとって一番近い友好国アメリカであるグアムに来られた際には、そんな島民のハートに触れる機会がありますよう願っています。

セレモニーの最後にはグアム政府観光局に、さまざまな個人や団体から寄せられた 義援金$10,000が在ハガッニャ日本国総領事館 木村善行総領事に渡されました。


※この催しはグアム政府観光局が主催し、デルタ航空、バンクオブグアム、IP&Eグアム、グアム政府、グアムホテル&レストラン協会の協賛で行われました。