かわいいデコレーションがあしらわれたり、フルーツなどがふんだんに使われたケーキ。見ているだけで心をくすぐられる魅惑のケーキが日本にはたくさんありますよね。しかし、それでも時に食べたくなるのは幼いころお母さんが作ってくれた手作りの素朴なお菓子......、そんなことはありませんか?

グアムにも、家でお母さんが作ってくれたり、身近にある食材で簡単に作れる、いわゆる「ローカルスイーツ」というお菓子がたくさんあります。素朴な美味しさだったり、日本人には思いつかない方法で作った南国の美味しさだったり。でも日本人の口にも合うものが多く、私も時々買っています。

今回はそんな「グアムのお母さんのお菓子」をご紹介いたしましょう。

「チャモロドーナツ」(Chamorro doughnuts)

これは「チャモロドーナツ」です。簡単に手に入る食材で作ることができ、また日持ちがすることから、台風などの非常時の保存食、非常食としても用いられ、別名「タイフーンドーナツ」とも呼ばれています。 見た目はとっても地味ですが、食べてみるとほんのりココナツミルクの香りがして昔懐かしいやさしい味わいがします。私が大好きな「ローカルスイーツ」のひとつです。

作り方は以前のWEEKLY GUAMでもご紹介いたしました。材料は日本でも簡単に手に入るので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

「チャモロドーナツ」の作り方はこちらから http://weekly.visitguam.jp/2011/02/post-164.html

「ラティーザ」(Latiya)

ローカルのパーティーによく登場するこちらのスイーツ「ラティーザ」も、グアムではとってもポピュラーなお菓子です。 カステラの上に、コンデンスミルクや卵、砂糖などで作ったカスタードクリームを載せて、仕上げにシナモンパウダーをかけたお菓子です。コンデンスミルクを使ったカスタードクリームは、私たちが普段口にしているカスタードクリームと少し風味や甘味が異なります。私にとっても、グアムに来て初めて食べた美味しさでした。 グアム政府観光局では、「グアム・アイランド・フィエスタツアー」という、ローカルのフィエスタ(守護聖人に感謝を示すお祭り)に参加できるユニークなツアーを行っています。こちらに参加すれば「ラティーザ」を食べられるかもしれませんよ。

「アピギギ」(Apigigi)

次はグアムのローカルスイーツの中で、私が一番好きなスイーツ「アピギギ」です。 日本人には少し発音しにくい言葉ですが、ローカルなら誰でも知っているスイーツで、私と同様「アピギギが一番好き」という人も少なくないようです。 こちらも家で作れる簡単レシピでできます。タピオカスターチ、ココナツミルク、ココナツの果実、砂糖を混ぜ合わせ、火にかけて弾力が出るまで煮込みます。ある程度、固くなってきたらバナナの葉で細長く包み形を整え、鉄板などで焼くと出来上がり! ココナツのやさしい甘さ、モチモチしたお餅のような食感の中にココナツの果実があり、日本では出会えない美味しさです。ココナツミルクや果実、バナナの葉は、グアムでは家庭の庭からでも手に入る食材。まさに南国の美味しさがギュッと詰まったスイーツです。 なお、日本で作る場合、バナナの葉は入手困難なので、アルミホイルで代用できると思いますよ。

「ブチブチ」(Buchi buchi)

これは名前がとってもユニークなスイーツ。その名も「ブチブチ」。名前の由来は不明ですが、これもローカルには人気のスイーツです。一言で説明するとカボチャのパイ、と言ったところでしょうか。中力粉で作られた皮でカボチャのペーストを包み、揚げたものです。 揚げる代わりに焼いたものは「ターンオーバー」と呼ばれ「ブチブチ」よりもポピュラーで、ローカルのパン屋さんなどでもよく見かけます。

「エンパナーダ」(Empanada)

「ブチブチ」とよく似た形状ですが、こちらは「エンパナーダ」というお菓子です。トウモロコシの粉で作った皮の中には、チキンライスなどが入っています。 「ブチブチ」や「エンパナーダ」はスイーツというより軽食ですね。出勤途中、朝ご飯代わりに買って行ったり、夕方の小腹が空いた時に買う人が多いようですね。

「トゥバのパンケーキ」(Tuba-flavored pancake)

最後は、トゥバというココナツの樹液を発酵させた南国ならではのお酒を使ったパンケーキです。 見た目はとってもシンプルですが、食べてみると普通のパンケーキとはまったく異なる味わい。口の中でトゥバの香りが広がり、少しクセになる美味しさです。実は私もこれが大好きです。

その他、グズリア(Guguria)、ロスケッティ(Rosketti)、ロゼッタ(Rosetta)、カサバ(Cassava)、ポツ(Potsu)などなど...聞き慣れない言葉ばかりですが、どれもグアムのローカルスイーツ。中にはフィリピンのスイーツもありますが、それも人種の坩堝と呼ばれるグアムならでは。グアムのローカルスイーツとして、すっかり定着しているものも数多くあります。 そしてうれしいことに、値段も1つ$1から数ドル。見つけた時にはついつい買ってしまう人も多いようですね。私もそのひとりですが......。

さて、これらのローカルスイーツを手に入れる方法ですが、「ペイレススーパーマーケット(Payless Supermarket)」などのスーパーやショッピングセンターでは、まず見つかりません。 また、ローカルが経営する個人商店をのぞいてみると見つかることがあるかもしれませんが、このようなローカルスイーツを扱っているお店はあまり多くないようです。 確実なのは、毎週土・日曜日にデデドで開催される朝市に出かけることです。ここでは紹介しきれなかった、もしくはまだ私の知らないローカルスイーツが他にもあるかもしれません。ぜひいろいろ試してみてくださいね。

なお、朝市へはタモン地区から「朝市シャトル」が出ています。また、朝市を訪れるツアーもありますので、ご参加の旅行会社に問い合わせてみてくださいね。