アガット村のアメリカ海軍基地の手前にある「太平洋戦争記念館(War in the Pacific National Historical Museum)」は、多くの観光ツアーで立ち寄る観光スポットです。

この博物館の常設展示がこの夏一新され、マルチメディアや趣向を凝らしたユニークな展示法で歴史を後世へと伝えることができるようになりました。また、多くの展示パネルに日本語での説明がつけられ、日本語による音声解説も充実しました。じっくり1時間から2時間かけて訪れたい施設です。

展示会場の最初に置かれた大きな地球儀。
ボタンを押すと、第二次世界大戦に巻き込まれた国々がライトアップされます。
地球上の国々がいかに多く巻き込まれたかが一目瞭然です。

展示エリアの壁側には、第二次世界大戦の全容など、
世界の動きにまつわる解説がされています。
会場の中心部分にはグアムや近隣の島々の第二次世界大戦下での
様子や歴史が紹介されています。

大日本帝国の占領下に32ヶ月間おかれたグアム。
当時は大宮島(だいきゅうとう)と呼ばれました。
1944年7月21日、ついにアメリカ海軍がアサンビーチから上陸、
グアム奪還に向けて激しい戦闘が繰り広げられました。
その一連の上陸作戦を音声と映像、そしてグアム島の地図に
点灯するライトで確認することができます。

こちらでは、タッチパネルとイヤフォンで解説されています。
スクリーンには年表が映し出され、出来事を押すと、詳細が写真入りで解説されされます。
また、解説の多くはビデオでも見ることができるようになっています。

第二次世界大戦下では、日本国内でもアメリカ合衆国国内でも
愛国主義思想を高めるため、メディアが利用されました。
この展示エリアではそれぞれの国で行われたプロバガンダについて紹介されています。

プロバガンダ同様に子供達の教育でも愛国主義思想が教え込まれました。
グアムでは大日本帝国占領下には日本語教育が現地のチャモロ人に対しても行われました。
その際に使われた教科書も展示されています。

第二次世界大戦前のグアムの様子や戦時下での暮らしぶり、
ルーズベルト大統領やマッカーサー総司令官、
そして近衛文麿内閣総理大臣などの言葉も数多く紹介されています。

太平洋戦争国立歴史博物館の正面には日本軍の二人乗り潜水艦が展示されています。
日本軍は戦前から戦中にかけて約2,000隻の小型潜水艦を建造しました。
そのすべてが多くの尊い命とともに、太平洋に沈むこととなりました。

リゾート地として知られるグアムですが、ここには日本人が忘れてはならない哀しい歴史があります。皆さんもぜひ、お時間があれば太平洋戦争国立歴史博物館に足を運び、日本とグアムの歴史について学んでみてくださいね。平和な日々の尊さを再認識できるかもしれません。

<インフォメーション>

店名:太平洋戦争記念館(War in the Pacific National Historical Museum)
営業時間:9:00AM~4:30PM
定休日:サンクスギビング、クリスマス、元旦
住所:T. Stell Newman Visitor Center, Building 1657B, Old Army Reserve Center, Sumay, Guam 96915
ロケーション:マリン・コア・ドライブ、アメリカ軍海軍基地ゲート前
電話番号:671-333-4050
URL:http://www.nps.gov/wapa/t-stell-newman-visitor-center.htm