今年で28回目となったグアム・ミクロネシア・アイランド・フェア(28th Annual Guam Micronesia Island Fair)。パラオ、ポンペイ、チューク、コスラエ、マーシャル諸島など太平洋のミクロネシア地域に浮かぶ島々のカルチャーが一堂に集う、ミクロネシア地域最大のカルチュラルイベントです。太平洋全エリア最大のカルチュラルイベント「フェスティバルオブパシフィックアーツ(FESTIVAL OF PACIFIC ARTS)」の開催を来年に控え、今年のテーマは「過去、現在、そして未来への架け橋に - フェストパックへの道のり(Bridging past, present and future - Journey the to FestPac)」。ミクロネシアの長い歴史、偉大なる文化遺産を来年のイベントへ、そして輝く未来へ繋ぐべく、例年にない素晴らしい盛り上がりをみせていました。

好天に恵まれた3日間。 ミクロネシアの島々の素晴らしい文化が未来へ繋がります。

当初、開催は5月の予定でしたが、台風のため6月に延期。6月12日(金)~14日(日)の3日間、ガバナー ジョセフ フローレス メモリアル パーク(イパオビーチバーク)にて開催されました。期間中は突き抜けるような青空が広がり、まさにフェスティバル日和。12日(金)正午に開場し14日(日)午後9時の閉幕まで、ステージでは各島のダンスパフォーマンスが繰り広げられ、広い会場にはアーティストによる伝統クラフトのデモンストレーションや展示販売、特産品を販売する各島のブースが軒を連ね、グアムの人気レストランやカフェも各島に負けじとBBQやスイーツ、ドリンクを販売。多くの人たちが足を運び、それぞれの時間を楽しみました。

パラオ、コスラエ、マーシャル諸島、ポンペイと ミクロネシアの島々のブースが並びます。

ほぼ毎年このイベントに出かけていますが、このイベントの魅力は普段のグアムでは見ることや出会うことのできない体験やショッピングができること。ローカルイベントに出かける機会が多い私でさえ、毎年ここではなにか新しい発見をしています。 今回、気になったのは土産物ショップではあまり見かけないグアムのハンドメイドアイテム。ココナツオイル、ソープ、クッキーなど作り手のこだわりを感じさせる素敵な商品ばかりです。ウィークリーグアムでも初登場のものばかりですよ。

現在は恋人岬のギフトショップでの取り扱いのみの ソープ・コンティキのココナツオイル。
メイド・イン・グアムと書かれた素朴なソープは 肌をしっとりと潤わせてくれます。 こちらはアンダーウォーターワールドのギフトショップでも取り扱っています。

ハンドメイドのココナツオイルやソープのブランド、ソープ・コンティキ(Soap Kontiki)。ココナツオイルもソープもグアムには溢れるほどたくさんのブランド、種類がありますが、ご夫婦の丁寧な手仕事で作られるソープ・コンティキのココナツオイルは香りがとっても素敵。ココナツ、イランイラン、マンゴーなどトロピカルな香りを揃え、中でも私が気に入ったのはイランイラン。夏の冷房で乾燥しがちな肌や髪にほんの少しつけるだけで、スパにいるような心地よい香りに包まれますよ。現在、販売しているのは恋人岬のギフトショップのみですが、今後人気が出そうな、私の今イチオシのココナツオイルです。 ブース前ではソープで手を洗わせてくれました。洗った後は肌がしっとりしていて、ほんのり香りも残っていて、お肌も心も癒してくれるソープです。

こちらのブースでは ローカルスイーツ、お母さんの手作りおやつとして 古くからグアムで愛されてきたロスケッティなどを販売。

さまざまなグアムメイドのお菓子を見てきましたが、こちらも初めてみる商品、サクサクとした食感でグアムッ子に人気のクッキー、ロスケッティ(Rosketti)と、さまざまなフレーバーのロリポップキャンディー。話しを伺ってみると小売店には卸さず、受注生産とこのようなイベント、フェスティバルで販売しているだけだそうです。ロスケッティにはラッテストーン、チャモロハット(Chamorro Hut)と呼ばれる古代の住居、グアムの旗をデザインしたものなどグアムらしさが満載。このような限定のおいしさに出会えるのもローカルイベントならではです。このクッキーやキャンディーを買えた方はラッキーですよ!

グアム・ユニーク・マーチャンダイス&アート というこちらのブースは今年初登場。
こちら、リティ・アーティサン・コスメティクス(Liti Artisan Cosmetics)のブースでも イベントなどでの限定販売というココナツオイル、ソープ、リップバームがありました。
こちらのリップバーム、上の4種類はすでにコスメショップが販売していますが 下の黒いパッケージは限定品のハイビスカスフレーバー。 隣の白いパッケージは塗り香水です。

今年初めて登場したグアム・ユニーク・マーチャンダイス&アート(Guam Unique Merchandise & Art)というブースではアーティスト作品の展示販売、さまざまなグアムメイドアイテムの販売などがありました。 その中でまた、イベントなどでの限定販売アイテムを見つけることができました。リティ・アーティサン・コスメティクスというブランドのブースで、上の写真の女性が手作りするココナツオイル、ソープ、リップバームなどです。リップバームはいくつかのフレーバーはすでに小売店で販売されていますが、ハイビスカスフレーバーは限定品。限定という言葉に弱い私たち、ツーリストの皆さまだけでなくローカルの人たちも興味深そうに立ち止まって商品を手にしていましたよ。

こちらはカラー・グアムという団体のブース。 グアムの歴史的スポットの塗り絵が用意され、 小さな子供が体験できようになっていました。

カラー・グアム(Color Guam)という団体は絵を描くことを目的に始まりましたが、子供と一緒にグアムの美しい風景を眺めたり歴史的スポットを訪れるうち、子供たちにもっとグアムの歴史、文化、自然について知ってほしいと、絵画教室だけでなく子供向けのグアム探検ツアーをするようになりました。このブースで用意されていた塗り絵でもグアムの歴史スポットが紹介され、子供が色を塗りながらグアムのことを楽しく学べるようになっています。

さて、話しがグアムのことばかりになってしまいましたが、これはミクロネシアフェア。島々のブースにもユニークなものがたくさんありましたよ。
コスラエのブースで見つけた手作りペーパーアイテム。

コスラエのブースで目に留まったのは和紙のような素朴な紙。それはバナナ、パイナップル、タロイモの木の繊維で作られた紙でした。木によって紙の色が微妙に異なり、カードには植物の葉や花びらなどで可愛く装飾されています。もちろんこれらはすべて手作り。近代化が進むグアムに比べまだまだ自然と共存する素朴な暮らしが残るコスラエ。大きな産業のない小さな島ですが、美しい大自然を利用したこのようなスモールビジネスが人々の暮らしを支えています。環境にやさしいエコ商品で、人々の温もりが伝わってくるアイテムです。

ポンペイ特産の胡椒。 今年も大量に並んでいました。

実はポンペイは昔から胡椒の産地として有名です。雨量の多いポンペイは胡椒の栽培に適し、ポナペペッパーと呼ばれるその胡椒は実に香りがいいことで知られています。しかしグアムでもなかなか手に入らない貴重なもの。ミクロネシアフェアでは必ずポンペイブースに並んでいますので、気になる方はぜひ来年、足を運んでみてくださいね。

ポンペイで古くから飲まれている シャカオ作りのデモンストレーション。

私がポンペイブースで胡椒より気になったのはシャカオ作りのデモンストレーション。お兄さんが泥のようなものを懸命に捏ね、木の繊維で包み水分を絞っていました。これはシャカオと呼ばれるポンペイで古くから飲まれているドリンク。泥のように見えるのはコショウ科に属する木の根を叩いてつぶし水を加えたもので、それをハイビスカスの繊維に包んで絞りだされたものがシャカオです。「これは一体何?」と聞くと「飲むんだよ。お酒を飲んだみたいにちょっといい気分になれるよ」と教えてくれました。「飲んでみる?」と言われましたが、写真右下のココナツの器に入っている、一見泥水のようなシャカオ、丁重にお断りさせていただきました...。が、集まった人たちは興味深そうに見ていました。 ステージでは各島からやってきたダンサーが伝統の踊りを披露。コスチューム、踊り、歌、どれもそれぞれユニークで、一度にこれだけの踊りを見ることができる貴重な機会でした。

こちらはチャモロダンス。 各島の古代のダンスの中で、華やかなドレスと軽やかなステップが新鮮でした。
こちらはパラワンダンスと呼ばれるパラオのダンス。 チャモロダンスと同じようにダンサーが歌いながら踊ります。 ゆったりとした動きに、南国ののどかな雰囲気が出ていますね。
こちらはヤップのダンサーたち。 カラフルなコスチュームがとっても印象的でした。

体験コーナーもたくさんありました。葉編み、グアムの伝統漁法でタラザ(Talaya)という漁具の使い方、チャモロダンスで使用するドラム体験など、チャモロダンスグループのメンバーが訪れた人たちに教えていました。

こちらは投網漁で使われるタラザの体験。 地面に並べたココナツを魚にみたて、投げたタラザがいくつココナツに覆い被さるか ゲームで遊びます。
簡単なものからちょっと難易度の高いものまで ヤシの葉編みも始めると奥が深~い!

フードーコーナーにはプロア(PROA)、カリフォルニアピザキッチン(CALIFORNIA PIZZA KITCHEN)、メスクラ・オン・ウィールズ(Meskla on Wheels)などの人気レストランをはじめ、BBQ、冷たいドリンク、スイーツなどのお店が軒を連ね、お馴染みのカラバオ(水牛)ライド、ロッククライミングやジップラインなどのアトラクションも登場。以前ウィークリーグアムでご紹介した、グアムをデザインしたオリジナルTシャツなどを扱うエネウエアクロージング(ENEWEAR CLOTHING)、グアム・アート・ブティック(GUAM ART BOUTIQUE)などのおすすめショップもブースを出し、大盛況で終わった3日間。多くの人がミクロネシアの素晴らしい文化を見て、触れて、体験し、未来へ繋ぐ架け橋となったのではないでしょうか。

<エネウエアクロージングの記事はこちら> http://weekly.visitguam.jp/2015/05/post-553.html

<グアム・アート・ブティックの記事はこちら> http://weekly.visitguam.jp/2015/04/post-551.html
バーベキューだって、カラバオだって グアムを代表する文化の1つです。

冒頭でご紹介したフェスティバルオブパシフィックアーツは4年に一度開催される太平洋全エリア最大のカルチュラルイベントで、1972年に始まり、今では「パシフィックカルチャーのオリンピック」とも呼ばれるまでに成長しています。第12回目となる来年はグアムがホスト国になり、ミクロネシアエリアだけでなく、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカンサモア、フィジー、トンガ、クック諸島、イースター島、フレンチポリネシアなど27もの島や地域から2,500名を超えるダンサー、アーティストなどのパフォーマーを迎え、2週間にわたり開催されます。 すでにカウントダウンは始まっています。グアム・ミクロネシア・アイランド・フェアを皮切りに、これから1年間さらに盛り上がっていきます。来年グアムを訪れるならぜひこちらのイベントにも足をお運びください。チャモロ人のように太陽と海の恵みを糧に、太平洋上の島々で古代から逞しく生き抜いた人々の歴史と文化に出会うことができます。

<インフォメーション>

イベント名:第12回 フェスティバル オブ パシフィックアーツ(THE 12TH FESTIVAL OF PACIFIC ARTS ON GUAM) 期間:2016年5月22日(日)~6月4日(土) URL:http://www.guamfestpac2016.com/