9月16日(金)から始まったアートイベント『グアム アート エキシビット(Guam Art Exhibit)』。ローカルの人々の間では頭文字を取った、「ギャックス」と呼ばれ、今年で10回目を迎えるビッグイベントです。今年は『パウ!ワウ!グアム(POW!WOW!GUAM)』も同時開催となり、例年以上の盛り上がりを見せています。
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ハガニア地区ではアメリカで活躍するチャモロ人アーティスト、
ナチュレル氏が壁画を制作。
豊かな自然と独特の文化に囲まれて育つ環境が影響するのでしょうか、グアムの人々は皆感性豊かで、それを表現する方法もユニークです。自分の思いを表現したデザインでアパレルのオリジナルブランドを立ち上げたり、美しい景色を写真に撮って切り取ったり、また島の至るところで見られる壁画イラストも描き手の個性が感じられるものばかりです。
10年前、素晴らしいアイデアや才能に溢れる若者たちの作品発表の場としてスタートしたギャックス。絵画、写真、デジタルアート、陶器などジャンルはさまざまですが、枠に捉われない若者たちの自由な作風に多くの人が共感し、このイベントを足がかりにアーティストとしての一歩を踏み出した人も少なくありません。
今年の『ギャックス』は、アメリカ、台湾、そして東京などで開催され、世界中で注目を集めるストリートアートイベント『パウ!ワウ!(POW!WOW!)』が同時開催となり、グアムだけでなく世界のアーティストの素晴らしい作品も目にすることができます。『ギャックス』と『パウ!ワウ!グアム』、2つのイベントはタモン地区の中心地、プレジャーアイランドを歩行者天国にして9月16日(金)6:00PMにスタート。その様子と、2つのイベントの見どころをご紹介します。
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9月16日(金)6:00PMにスタートしたキックオフイベント。
タモン地区の中心地を歩行者天国にして開催されました。
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グアムのイベントでフードブースは必須。
しかし今回はアートイベントだからでしょうか、
今回の出店はおいしさだけでなく、
おしゃれなインテリアで人気のカフェも多数参加。
先日ご紹介した今大人気のハンバーガースタンド、
スタックス・スライダー(Stax Slider)は相変わらずの大行列でした!
写真はアサイーボールのお店、マイティー・パープル(Mighty Purple)。
<スタックス・スライダーの記事はこちら>
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グアムのローカルブランドのブースも多数登場!
先日ご紹介したオペイク(Opake)やロングリブ(Long Live)もありました。
写真はアフィリエイティッドxライフスタイルス(Affiliated x Life Styles)という
グアム発のブランドです!
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スケボー仲間で立ち上げたというロングリブ。
スケボースペースも設置し、若いローカルの人たちで賑わっていました!
<オペイクの記事はこちら>
<ロングリブの記事はこちら>
いつものローカルイベントとは少し違い、若さと出展者それぞれの個性や感性が感じられる雰囲気。路上で絵を描く人も登場し、アートイベントを盛り上げます。
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絵画のデモンストレーション。
周りの喧騒を気にすることなく、黙々と仕上げていきます。
参加アーティストの作品が並ぶギャラリーはザ・プラザ ショッピングセンター(The Plaza Shopping Center)内で開催されています。こちらにはすでにベテランの域に達したアーティストの大作から、これからの活躍が楽しみな若いアーティストの作品も登場。
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こちらはジェロルド・カストロ(Jerrold Castro)氏の作品。
チャモロ人の猛々しい姿が、繊細でありながら力強く描かれています。
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こちらはアーバンアートとアメリカンアニメーションを融合させた
独特の表現力を持つカマカ・アキノ(Kamaka Aquino)氏の作品。
会場にはさまざまなジャンルの作品が並びます。
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こちらは今回の『パウ!ワウ!グアム』にも参加している、
アメリカで活躍するグアム出身のアーティスト、
ナチュレル(NATUREL)氏の作品です。
直線的な画風と色使いが印象的です。
『ギャックス』と同時開催となった『パウ!ワウ!グアム』には、ナチュレル氏を含め、世界から5人のアーティストが集まり、島内5か所で大きな壁画を制作しました。
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こちらは一番上の写真でご紹介したナチュレル氏の制作現場。
ナチュレル氏はアメリカで生まれ育ったものの、両親はグアム出身のチャモロ人。自分にもチャモロの血が流れていることを誇りに思い、今回の『パウ!ワウ!グアム』に参加しました。
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まだ制作過程ということで、
出来上がりのデザインを見せながら説明してくれました。
彼が題材に選んだのは、マリアナ諸島でのみ生息する鳥で、グアムでは絶滅していると言われているマリアナ フルーツ ダブ(Mariana Fruits Dove)。頭頂が赤く、お腹部分の鮮やかなオレンジ色が美しいマリアナ フルーツ ダブが、グアム島旗の楕円形のシルエットを背景に蘇りました。ハガニア地区のグアムミュージアム隣りの建物で見ることができます。
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こちらはドミニカ共和国で生まれ育ち、
11歳で移住したフロリダ州ハリウッドでアートの才能を見出されたという
エボカ1(EVOCA1)氏の作品。
チャモロ男性と、グアムを代表する動物のカラバオ(水牛)と
ルースター(雄鶏)が描かれたグアムらしい作品で、
男性の表情やカラバオの毛並みまで細やかに表現されています。
タムニング地区のマリン・コア・ドライブ沿いで見ることができます。
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こちらの作品を手がけたのはロサンゼルス出身の
トリスタン・イートン(TRISTAN EATON)氏。
子供向け玩具のデザインから商業デザインまで
幅広く手がけるアーティストです。
この壁画はKマート向かいにある
ジョン・F・ケネディ高校(John F. Kennedy High School)の
校舎の壁に描かれています。
ジョン・F・ケネディ元大統領の就任演説の言葉にちなみ、
「あなたの島があなたのために何をしてくれるのかではなく、
あなたが島のために何かできるかを問うてみよう」
というメッセージが印象的です。
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こちらはオーストラリア出身のスプレーアーティスト、
アドネイト(ADNATE)氏の制作現場。
場所はハガニア地区のアニグアのマリン・コア・ドライブ沿いです。
訪れた時はまだ人物の顔だけでしたが
スプレーを器用に扱い、
これからどのような作品が誕生するのが楽しみです。
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こちらは独特の色使いが印象的な
アンドリュー・ヘム(ANDREW HEM)氏の作品。
カンボジアを祖国に持つクメール族としてのアイデンティティーと
移住先のロサンゼルスで磨かれた都会的な
感性を併せ持つアーティストです
場所はタムニング地区のマリン・コア・ドライブ沿いです。
5つの壁画は、本記事をウィークリーグアム読者の方たちがご覧になる頃にはほぼ完成していることでしょう。ぜひタモンの『ギャックス』ギャラリーと合わせて、『パウ!ワウ!グアム』の世界のアーティストの作品もお楽しみください。
<インフォメーション>
イベント名:グアム アート エキシビット(Guam Art Exhibit, 通称ギャックス、GAX)
開催期間:2017年9月16日(土)~10月8日(日)
月~金曜日6:00PM~11:00PM、土・日曜日11:00AM~11:00PM
会場:ザ・プラザ ショッピングセンター(The Plaza Shopping Center)DNAエボリューション上階
入場:無料