一年中暖かいグアムでは年間を通して様々な草花が咲き、青々とした木々が生い茂っています。南国といってイメージするのは、椰子の木、香り豊かなプルメリア、そしてバードオブパラダイスと呼ばれる鳥のような形をしたストレリチアなどではないでしょうか。グアムの平均気温は28度で、実は6月から10月までの雨季と11月から5月までの乾季の2つの季節に分かれます。この季節の違いが分かる方は、グアムに住んでいる方かグアムがよっぽど好きな方くらいでしょうね。さて、今回は雨の比較的少ない時期に育つグアムの植物をご紹介します。
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グアムの島花、ブーゲンビリア。
濃いピンクの花が主流ですが、
白や薄ピンク、オレンジ色などもあります。
このウィークリーグアムでも以前、ブーゲンビリア、レッドジンジャー、プルメリアなどの様々な花木を紹介しました。鮮やかなトロピカルカラーの花々の名前や特徴を知りたい方は、是非過去の記事もチェックしてみてくださいね。
前回も紹介したハイビスカスですが、知れば知るほど奥が深いのでもう少し写真と一緒に説明を加えます。20世紀初期から始まった品種改良により、ハイビスカスは現在5000種類以上あると言われているだけあって、グアムでもたくさんの種類を見かけます。
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こちらは「サニー」と呼ばれる、
太陽が燦々と照り輝くグアムにぴったりの品種。
サニーは割と初期に品種交配されたもので、寒さに弱く暑さに強く、朝咲いたら夜にしぼんでしまうという儚い特徴をもっています。下向きに咲き、花びらがフリルのようでとても可愛らしく情熱的な女の子をイメージさせる花です。
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こちらは「レモンイエロー」
八重咲のハイビスカスです。
ハイビスカスは原産国がわからない植物ですが、このタイプは中国やインドに元々あった原種から別れ出た品種だそうです。優雅なイメージを持つこちらのタイプは「南国の女王」と言われるハイビスカスの印象を深めてくれます。
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こちらは「ペインテッドレディ」といわれる品種。
このタイプはグアム島内でも良くみかけることができます。
ペインテッドレディは園芸店などで見かける大輪のハイビスカスの元になったもので、色彩豊かで花びらに丸みがあり大きいのが特徴です。このタイプから更に品種改良が進んだ花は、花弁がお互いに重なり合い正面からみると円形に近いものとなっています。たくさんあるハイビスカス、ぜひグアム旅行の際に探してみてくださいね。
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こちらはデンファレ。蘭の一種です。
グアムには紹介しきれないほどの品種があります。
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ホテルやレストランでの観賞用、
そして椰子の木などに固定され、
自然の中で生育するデンファレを見かけることができます。
花の紹介を最後にひとつ。
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こちらはプルメリアに似ていますが、クチナシの花。
どちらも良い香りがするのが特徴です。
旅の途中で、香り比べをしてみても楽しいかもしれませんね。
ここからは可愛らしい花々から一気に方向転換して、木々に注目してみたいと思います。
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紫の花、そして黄色い実がなる
台湾レンギョウです。
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成長すると4~6メートルほどに育つこの木は、
「アレロパシー」という面白い特徴をもっています。
アレロパシーとは他感作用とも言われ、ある植物から出る物質によって、雑草などの他の植物が育つのを抑える、あるいは他の小動物が引き寄せられる効果のことをいいます。一般的に知られているのは、ハエやアリをおびき寄せそれを捕まえるハエトリソウやウツボカズラなどの食虫植物が持つ作用のことです。台湾レンギョウは虫を捕獲しませんが、周りに雑草を生やさないとう特徴があるので、雑草の育ちやすい暖かい気候のグアムに最適な木です。そのため、垣根などに使用されているのを見かけます。
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栄養分の少ないやせた土地でも育つ「ソテツ」
グアムの土壌は、珊瑚の死骸そして砂などが積もった環礁で構成されている場所もあります。そのため、他の植物が育たないような場所にこのソテツを見かけることができます。
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中央部分にある実は食糧不足だった戦時中
毒抜き作業をして食用としていた記録もあります。
そのままだと有害なので子どもに触れさせないようにしてくださいね。
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こちらは檳榔樹として知られる椰子科の植物。
ミクロネシア地域には、檳榔樹(ビンロウジュ)の実を噛みタバコのような嗜好品として口に含む人がいます。グアム旅行中に口の中が真っ赤や黄色になった人を見かけるかもしれませんが、驚かないでくださいね。それはこの実からでる成分によるものだからです。
グアムには色彩豊かなトロピカルフラワーや日本では見かけない南国ならではの植物がたくさんあります。今回紹介した植物以外にも可愛らしいものや面白いものを発見することができるはずです。グアムの街を散歩、また島内をドライブして、グアムの植物を楽しんでくださいね!